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TAKAHIRO KONASHI official blog

すべての景色を記録する。リコー・THETA(シータ)レビュー

ノートパソコンやスマートフォンは、様々なメディア(音楽、文書、画像、映像…)をいつでも持ち歩ける手軽さをもたらしてくれました。そして、スキャナーとクラウドサービスのevernoteエバーノート)は、紙の書類でもパソコンやスマートフォンでいつでも見ることを可能にしてくれました。そして次は…目に入った風景のすべてを記録しておきたい…そんなさらなる欲張りの願いを叶えてくれるアイテムをご紹介します。
 

360度を記録するカメラ、リコー・THETA(シータ)S

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このカメラは何とも不思議な形をしています。前と後ろにレンズが1つずつ。ファインダーなどはなく、ただシャッターボタンが前面に配置されているだけで、何ともシンプルです。さて、このカメラで撮影すると、こんな絵が撮れます。
(画像を指(マウス)でタッチ(クリック)しながらグリグリすると見たい方向に動きます)
↓先日訪れた神津島の海岸 
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
 
前後それぞれのレンズは「魚眼レンズ」という種類のレンズで、それが前後にあることで、360°すべての方向を一度に1つのファイルに記録してしまおうというのです。何と欲張りなカメラ!!
このカメラは、その場のあらゆる方向を一度に画像、もしくは映像として保存できます。そして、iPhoneなどのスマートフォンやパソコンの専用ソフトを使い、それらを指やマウス等を使って、グリグリと回して見ることができます。また、クラウドサービスのTHETA360というサイトに画像や映像をアップロードすると、このブログのようにインターネットを通して仲間と画像や映像を共有できます。そして、アプリから最近VRに対応したYouTubeに直接投稿することも可能です。
 

利用の可能性は無限大。

このカメラはあらゆるシーンでの活用が考えられます。すぐ思いつくのは、家族や友人との思い出を記録するということでしょう。一方向しか写らない通常のカメラと違って、あらゆる角度を見ることができると、その時の記憶をより鮮明に思い出すことができます。
こんな風に↓(RICOHのサンプルページより)
Birthday Party in Japan - Spherical Image - RICOH THETA
 
次に考えられるのが、ホールなどの建物の構造を記録する時に活用しようというものです。ホールなどのステージは、普通のカメラだとどうしても一部の様子しか記録することが出来ず、会場の雰囲気をうまく伝えることができません。しかしこのカメラを使うことで、まるでそのホールにいるかのように、臨場感たっぷりにすべての方向の様子を伝えることができるのです。実際に建築関係のお仕事をされている方で活用している人がたくさんいるようです。
↓音楽室を撮ってみました!!(少し拡大してグリグリしてみてください)
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
 
そして、私の場合、最大の活用目的は風景を撮ること。思い出の場所の景色のすべてを記録しておきたい…その願いを叶えるべく、この夏出かける様々な場所の景色を、このカメラでおさめてきたいと思います。
↓田舎の夕暮れ
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
 

 学校での活用シーンは?

これまた未知数ですが、注目すべきはこのカメラが「VRカメラ」とも呼ばれ、記録した画像、映像が、今年が世間に広まる元年だと言われている「VR(ヴァーチャルリアリティ)メガネ」に対応している、ということです。この「VRメガネ」というのは、このメガネを装着することによって、まるでその場所にいるように360°を見渡せるようになる、というものです。このVRメガネ、スマートフォンを装着してVRを作り出す簡易的なものなら、アマゾンなどですでに¥1,500程度から購入することができます。
VRメガネ

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学校では、理科の星空の観察や、社会科で世界遺産などを実際にそこにいるような感覚で眺める、また、世界のどこかの小学校と360°見渡しながら交流、などということも可能となってくるでしょう。音楽では、音楽室にいながらオーケストラの指揮をしたり、演奏者となってプロと共演、などということもできると思います。
 

短所は…自分が映ること。

あえてこのカメラの短所をあげるとすれば、360度撮影できるがゆえに、撮影している自分が映ってしまうということでしょうか…。(意外と恥ずかしい)まぁこれは、三脚などでTHETAを固定し、スマートフォンをリモコンにして撮影すればいいことですが、面倒といえば面倒。持ち方などを工夫したり、「自撮り棒」を活用したりして、自分が映り込むのを最大限に小さくするほかありません。
 

未来を感じるカメラ

このカメラはハード、ソフトともに正直まだ開発途上な部分が多いです。しかしメーカー各社はこぞってこの手のVRカメラの開発を進めており、今後ますます開発、普及が進むでしょう。360度すべての風景を記録し、目の前にあらゆる風景を映し出す…こんなドラえもんの道具のような世界は、もう現実となりつつあります。今後このカメラを使用した実践ができたら、また報告したいと思います。