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TAKAHIRO KONASHI official blog

音楽室に専用タブレット(iPad)を導入④ 〜音楽室で使う準備(周辺設備編その2)〜

音楽室に専用のタブレットがやってきました。前回のタブレットを安全、快適に児童が使うための周辺設備の工夫に続き、今回は「音をグループごとに聴き分けるための工夫」についてお話しします。

グループごとの鑑賞活動を劇的に変えたもの

今まで、鑑賞活動というと、音楽室のステレオアンプを使い、クラス全員が同じ音楽を同時に聴く、「一斉授業」の形式が中心でした。カセットやCDデッキを使って、鑑賞のグループ活動をする授業もできないことはないのですが、機材の扱いが面倒だったり、教室内で音が混ざり合って聴き取りにくかったりと、難が多いものでした。それが、タブレットとヘッドフォン、そして「あるもの」を使うことによって、とてもシンプル、かつ効果的に鑑賞のグループ活動を行うことができるようになったのです。
その「あるもの」というのが、これです↓

この何とも可愛らしい、珊瑚のようなものは、「イヤフォンスプリッター」というものです。
この穴の一つを、タブレットやCDプレーヤーの音声出力につなげます。
そして、残りの穴に、グループのメンバーが使うヘッドフォンをそれぞれつなげます。
すると、タブレットやCDプレーヤーからの音が、同時に各々のヘッドフォンに流れるという訳です↓

この「イヤフォンスプリッター」を使うことによって、グループ全員が同じ音楽を聴きながら、話し合いを進めることができます。しかも、音が外に漏れないので、他の班に音が大きくて迷惑をかけることがありません。これは、音楽の授業での鑑賞活動のあり方を変える、革命的なアイテムと言えるでしょう。

唯一の欠点は、音が漏れないためグループが聴いている音を教師が把握しづらい、ということですが、それは、教師が机間巡視する際に、ヘッドフォンを持参して、イヤフォンスプリッターの空いている端子にそのヘッドフォンを差し込んで、音を聴取すればいいのです。
このグループ分のイヤフォンスプリッターと、児童分のヘッドフォンを用意することによって、グループごとの鑑賞活動や、音を聴取しながら行う音楽づくりの活動がスムーズに行えるようになりました。 
因みにこのイヤフォンスプリッターですが、Amazonで¥500もしません。他にも、いくつかの音源をミキシングして、一つのスピーカーやヘッドフォンに出力するなど、いろいろな使い方ができます。これを考えた人、本当にすごいです…。

100円クオリティーもバカにできない

 次に、子供達が使うヘッドフォンですが、本当はある程度値段がするものの方が音や品質はいいのですが、40個も用意しなければならないので、「とりあえず」100円ショップのものを選んでみました。選ぶに当たっては、
 

①体の一部が触れるものなので、児童が気持ちよく扱えるように、インイヤータイプのものは避け、オーバーヘッドタイプのものにする。

②コードにそこそこの長さがある。

③見た目が100円ぽくない(!)

 
…という非常に難易度の高い選定基準を設定。そして、数ある100円ショップのヘッドフォンから私が選んだのはこれです↓

これは、「キャン・ドゥ」という100円ショップで売っているヘッドフォンです。100円ショップ巡りをして10個近くヘッドフォンの使い比べ、聴き比べをしましたが、おそらくこれがベストです。
 
ヘッドフォンとイヤフォンスプリッターは、このようにグループごとに専用の箱に入れて、使用する時だけ配ります。↓

ちなみに、この箱も100円ショップ。いやぁ、すごいです、100均クオリティ!

 いかがでしたでしょうか。とりあえずこれで、音楽室で子供達が、安全かつ快適にタブレットを使用する環境が整いました。いよいよ次回からは、現在の勤務校で行ったタブレットを用いた授業のいくつかの詳細について、お話ししていきます。(ゆっくり、まったりと進みます。ご容赦ください…)