音故知新 on-ko-chi-shin

TAKAHIRO KONASHI official blog

新たな気持ちで、新たな出逢いを求めて… 〜新音楽室、開店!〜

またまた、だいぶ更新がご無沙汰になってしまいました…。
記事を読むことを楽しみにされている方、大変申しわけございません…。
前回の更新からサボって今まで何をしていたかというと、そう、7年ぶりに学校を異動したのです。

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学校を移る、ということは、本当に本当にエネルギーがいること…。

まずは、前任校の子どもや、協力してくださった保護者の皆様との別れ。
たくさんの人達を泣かせてしまい、そして、自分もたくさん泣きました…。
手塩にかけて、まるで我が子のように育ててきた子どもたちと別れなければならないことは、まさに断腸の思いでした。(勤務年数が長ければ長いほど、この別れは辛いですね…)

 
そして、現任校への異動。ミニバン3台ぶんぐらいの大荷物と共に引っ越しです。
異動するとなったら、新しい学校の子供達のために全力を尽くす、それが私の教師としてのポリシーです。
しかし、その全力を子どもたちが理解・吸収し、学校や地域に理解され信用を得ていくためには、多くの時間を必要とします。今の学校はまだ務め始めたばかり。思いが空振ることもあり、今がおそらく一番苦しいのだと思います。千里の道も一歩から…前任校の子どもたちの思いに報いるためにも、今、私は前を向いてできることを少しずつこなしていくしかありません。

 

まずは自分の授業スタイルのための環境整備から

着任してまずはじめに私が取り組んだのは、音楽室の環境整備です。これは、決して前任者の音楽室経営を否定するわけではなく、自分の授業スタイルのために(自分がやりやすいために)、音楽室の模様替えをする、ということです。
私は、子供達の心を動かすためには、大きなエネルギーが必要だと考えています。だから、子供たちの「心」を動かすべき事には、常に全力を注ぐことにしています。いろんなやり方があると思いますが、私は新学期に入って最初の授業には最も神経を尖らせて準備をします。「あれっ?何だこの音楽室は!全然違うじゃん!!」そんなことを呟きながら(心を震わせながら)音楽室にニコニコして入ってくる子供達の笑顔がたまらないのです。(変態?!)
 

改造のキーワードはズバリ「シンプル」!

私は前任校で、音楽室は学校の中で一番居心地の良い教室にすることをモットーとしていました。そのために重要視しているのが、音楽室を「シンプル」にすることです。これは、何もその目標の達成のために、授業に必要な楽器や掲示物までもを片付けてしまおう、というものではありません。授業に必要なものはしっかりと音楽室内に配置しながらも、ICT機器を活用すること等によって示すべき情報を集約し、シンプルにする事によって、児童が居心地が良いなと感じたり、授業に集中したりする環境に整えるのです。
これはアップル社の前CEO、スティーブ・ジョブズのシンプルに対する考え方や、ミニマムデザイン、そしてユニバーサルデザインの考え方を参考にしています。
そしてできたのが、この音楽室です↓

↑テレビは前任校に引き続き、デュアル化しました。観葉樹を配置し、黒板やテレビの壁紙などに「緑」を意識してみました。
 

↑黒板を中心として、シンメトリーとなるように、スピーカーや児童の座席を配置。座席の位置は、下の板目で合わせるようにしました。
 

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↑右側の壁は木の質感を大切にし、音楽に関係がある緑を基調としたイラストを飾りつけました。また、時計も学校にありがちな無機質なものから、木のものに交換しました。
 
現任校は、3年後に隣の中学校と併設された小中一貫の学校に生まれ変わる予定です。現在の校舎は後3年で取り壊されてしまいます。正直、床や壁は綺麗と言えるものではありません。しかし年季の入ったこれらの持ち味をうまく生かす事で、木のぬくもりを感じることができるような音楽室にしてみました。
さあ、取り敢えずはあと3年、この音楽室でどんなドラマが生まれるか、道のりは長いですが、それが私の仕事。頑張ります!