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TAKAHIRO KONASHI official blog

日本音楽教育学会で学ぶ

ここ2〜3年自分がやってきていることの中で、「実践をどのようにまとめ、広く伝えられるものにするか」は大きな課題の一つです。自分は大学時代、卒業時に書いたのは「卒業論文」ではなく、吹奏楽曲を作曲する、という「卒業演奏」でしたので、「論文」をまともに書いたことがありません。しかし、実践をまとめるたびに論文の書くテクニックを知る必要性を感じており、音楽教育に関わる論文の書き方を学ぶ、また、他の音楽教育に関わる諸実践からさらに多くの学びを得るために、「日本音楽教育学会」に入会し、研鑽することにしました。10/8から二日間、その全国大会が横浜国立大学で行われましたので、参加してきました。
 
 横浜駅からバスで15分位で横浜国大に到着。キャンパスは山の上にありました。

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今年の学会のテーマは「ミュージキング:原点からの音楽教育」というもの。各地の音楽教育研究者たちの研究発表が100近くあり、参加者は自分の興味のある研究発表を渡り歩き聴いていきます。また、音楽教育関連の大学院の院生たちによる研究フォーラムがあり、熱心に自分の研究の成果を発表していました。
ちなみに、私が聴いた研究発表のテーマは次のとおりです。
 
①音楽科教育における二項対立的問題についての考察
②小学校音楽科への知識構成型ジグソー法の導入
③小学校6年間を通した日本音楽の学習
④アクティブ・ラーニングによる身体的表現活動の試み
変声期男子が快適に歌える合唱指導法と教材開発に関する研究
 

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基調講演はニューヨーク大学のディビットエリオット教授による「プロフェッショナルな音楽教育者であること」、記念演奏は鼓楽三番叟でした。
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残念ながら、2日間ある学会のうち1日目しか参加できなかったのですが、音楽教育をしっかりアカデミックにとらえているそれぞれの研究発表は、同じように実践研究を行っている私にとって、とてもエキサイティングなものでした。確かに、発表の中には机上の空論的なものや、「はぁ?何いってんの??」的なものもありましたが、発表しようという気持ちだけでも立派ですし、音楽教育に対して情熱をもって取り組んでいることは十分賞賛に値すると感じました。
ただ、気になったのは、会場にいるのは明らかに大学の先生らしき人と学生さんばかりで、学校現場の教師らしき人の姿があまり見られなかったことです。現場の生の声を伝えていくことは、このような研究団体にとって、机上の空論に陥らないためにもとても重要なのではないかと思います。明日の音楽教育を支える若い学生さん達のためにも、もっともっと先生方はこのような会に足を運び、現場の様子を伝えるべきだな、と感じました。