読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

音故知新 on-ko-chi-shin

TAKAHIRO KONASHI official blog

次世代の音楽の授業を模索して③…タブレットを使った鑑賞「木星」の授業の創造その2

鑑賞の授業に大切なものの欠落

 
前回の授業計画に大きく欠けていたもの、それは、原曲の鑑賞を通して、作曲者の思いや願い、意図にせまるという、鑑賞の授業の王道を踏み外している、という点でした。確かに、先の授業計画では、様々にアレンジされた木星の良さに対し、活発な意見交換が行われると思います。しかし、「比べてこれがよかったね」で終わってしまうのでは、作曲者であるホルストの思いや意図を、原曲中にまったく見出さないまま授業が終わってしまうことになります。これでは、鑑賞の授業としては、不十分であると言わざるを得ませんでした。
 

タブレットを用いた新たな授業展開の模索

 
この課題に頭を抱えている時、御指導を頂いている熱田庫康先生から、こんな提案を投げかけられました。
「曲をパズルのようにして、児童が組み立てていくことがタブレットでできないだろうか?」
木星」は3部形式の音楽であり、AーBーAのAにあたる部分はさらに第1主題、第2主題、第3主題に分かれています。そして第4主題にあたるBの部分が、前の計画で取り上げた「究極のメロディーM」になるわけですが、それらをブロックのように分け、それを組み立てていくことを通して、「究極のメロディー」を目立たせたいホルストの意図にせまれないだろうか、とおっしゃるのです。
これには、最初さらに頭を抱えました。これを実現するには、おそらく特殊なアプリを使用する必要がありますが、前述したように、学校のタブレットでは新たにアプリを入れることができず、また、これが可能となるようなWebページを作成するには、html5などの特殊な技術が必要でした。これを実現するには…もう奥の手を使うしかありませんでした。
 

iPadのアプリ探し→「ロイロノート」発見!

 
「音源を場面ごとに分割し、それをブロックのようにならべ、曲を再構成する…」そんなことがタブレットでできるとしたら、iPadのアプリでしか考えられない…そう考え、音楽再生系、プレゼンテーション系、マインドマップ系など、様々なアプリを探し回りました。そして見つけ出したのが、「ロイロノート」という授業支援アプリでした。
ロイロノート

ロイロノート

  • LoiLo inc
  • 教育
  • ¥600

 「ロイロノート」はもともと、児童生徒が自分たちでプレゼンテーションをするために作られた、いわばPowerpointの子ども版のようなアプリです。1枚1枚のカードに字や、絵、写真、映像、音声を貼り付け、それらを矢印でつなぎ合わせて、順番に再生していく、というものです。この機能を活用し、1枚1枚のカードに「木星」のそれぞれの主題を貼り付け、適当にア〜カという文字を付けて配置し、児童に「究極のメロデイーM」が最も輝くためにホルストが考えた演奏順序を自由に想像して並べてもらおうというのです。

f:id:koppaman:20160919163202j:image

 

iPadアプリ「ロイロノート」を使った「木星」授業計画

 
そして、新た考えた授業計画はこうです。
 
(1)6つの各主題ア〜カをタブレットを使い、自分のペースでじっくり聴く。
(2)どのような演奏順序が最適か、ア〜カの並び順を個人で考える。(Windowsタブレットを1人1台使用、個人聴取)
(3)どのような演奏順序が最適か、並び順をグループで考える。(iPadの「ロイロノート」をグループで使用、グループ毎に聴取)
(4)グループごとに考えた演奏順序を理由とともに発表し、考えを学級全体で共有する。
(5)原曲を鑑賞し、ホルストの意図を知る。
(6)自分たちが考えた演奏順序との相違に触れながら、ホルストの意図にふれて思ったことを個人でまとめる。
 
この計画でも、全体の流れの中で、協調学習に似た学習展開を構成することができました。前回計画した様々にアレンジされた木星を聴く学習活動は、「究極のメロディーMのヒミツにせまる」ための導入には最適なので、3時間中の1時間目に実施することとし、2〜3時間目にこの学習計画を実施することにしました。
 

授業実現のために…iPadをかき集める

 
この学習計画を実現するためには、少なくとも6台(4〜5人に1台)のiPadが必要でした。そのために我が家のiPadすべてをかき集め、プラス☓☓して(ご想像におまかせします)何とか6台そろえることができました。(研究に犠牲はつきもので…)
 

f:id:koppaman:20160908112927j:plain

 
さて、授業を実施しての児童の反応やいかに…。次回お楽しみに。