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音故知新 on-ko-chi-shin

TAKAHIRO KONASHI official blog

次世代の音楽の授業を模索して②…タブレットを使った鑑賞「木星」の授業の創造その1

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音楽の授業で「音楽活動」にタブレットを活かせる可能性は…

 
タブレットが導入されたものの、現状の本校の環境では「音楽活動」そのものに使えるソフトはあまりないことがわかりました。(作曲者のことをネットで調べる、録音や録画をして演奏に生かす…などは可能でしょうが、それらは道具としての活用であって、「音楽活動」そのものに使えるわけではありません。)
しかし、それで諦めてしまっては、せっかくタブレットを使う環境があるのにもったいない…、というわけで、本格的な音楽活動に本校のタブレットが活用できないか、考えてみました。
 

鑑賞の授業研究に課した2つの「課題」

 
今回、授業を計画するにあたり、ある2つの課題を自分自身に課していました。それは、「鑑賞領域の学習活動でいかに協働的な学びを実現するか」そして、「鑑賞の授業でアクティブ・ラーニングを実現するために、どのようにICT機器を活用するか」というものでした。
鑑賞の活動の中で重要なことは、いかに「鑑賞する」という音楽活動の中で、感覚的な気持ちの良さを味わいながら、作曲者あるいは作詞者の意図に思いや願い、意図にせまり、音楽を形づくっている要素が操作された根拠を自分なりに見つけ、作品の価値を見出していけるかです。人によって感じ方が違う鑑賞の活動で、いかに協働的な学びを生み出すか、そしてICT機器をどう絡ませるか、最初は検討もつきませんでしたが、ある文献との出会いで「これだ!」とひらめきました。それは、千葉大学の金本正武先生たちのグループが2006年に発表した論文に掲載されていた、「木星」の中間部の様々な演奏を聴き、一番心に響いた演奏を宣伝し合う、という活動でした。
 

「鑑賞」の協働的な活動にタブレットの活用を絡ませる

 
今までの鑑賞の授業では、「聴く活動」を行う最中は、どうしても一斉授業的な形式を取らざるを得ませんでした。児童は限られた時間や空間の中で、同じ時間に、同じ演奏を聴いて、自分の考えをまとめる必要がありました。金本先生達のグループの研究でも、そこは全員で最初から最後まで聴くしかなく、だいぶ時間を費やしたようです。それが、タブレットを活用することによって、特に心に響いたところを繰り返しじっくりと聴いたり、時間によって曲を途中で飛ばしたりすることが、個人ベースでいとも簡単に(1タップで!)できるようになったのです。これを元に作成した授業プランが次のようなものでした。
 
  1. 世の中の多くの人の心を惹き付ける、究極のメロディー「M」(まだ題名は伏せておく)の紹介
  2. 様々な楽器(声)で演奏された究極のメロディーをタブレットで8つ聴く。
  3. 自分の心に響いた演奏を1つ選び、その理由を[共通事項]と結びつけて考える。(個人による考えのまとめ)
  4. 同じ演奏を選んだ者同士が集まり、なぜ良いのか、アピール点について話し合う(話し合い活動)
  5. 学級全体で、自分たちが選んだ演奏のコマーシャルをする。(学級での意見共有)
  6. もう一度、自分が選んだ理由を考え直してみる。(個へ戻る)
 
この学習計画では、3〜6の活動が、個からグループ、グループから全体、そして最後は再び個へ、という協調学習のような流れをとっており、鑑賞の授業でも十分アクティブラーニングを達成することができると考えられます。また、2,3,4では、タブレットを使い、個人やグループで楽曲を自分(たち)のペースで聴き、思考することが可能になります。しかし…機能が限られたタブレットでどのように児童が自由に曲を選び、聴くことを可能にするか…これを実現するには次の方法しかありませんでした。
 

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授業用のホームページを作成する

 
タブレットにはソフトこそ入りませんが、書類を既存のソフトで読み出すことは可能です。ならば、インターネットエクスプローラーなどで見ることができる、授業用の「Webページ」を自分で作成し、それに音源ファイルをリンクさせて、再生できるようにしてしまえばよい、と考えたのです。そして作ったWebページは下のようなものでした。
 

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演奏①、演奏②…と書いてある青い字の部分をクリックすると、音源が聴ける仕組みです。このページは、特別なソフトを使って作成したのではなく、使ったのはごく普通の「Word」です。ワードで普通に作った文書を保存する際に「Webページとして保存」を選べば、簡単にインターネットエクスプローラーなどのブラウザソフトで見ることができる「htmlファイル」を作成することができるのです。先ほどの「演奏①、②…」のリンク先もワード上で指定することもでき、同じフォルダー内に音源ファイルを入れておけば、字をタッチした時に、リンク先の音源を自動的に再生できます。
このhtmlファイルのショートカットをタブレットのデスクトップにおけば、そのショートカットをタップしただけで、すぐに学習に取り掛かることができる、というわけです。
また、この方法では、1つのフォルダにホームページで使用するhtmlファイル、音源ファイルをまとめることで、そのフォルダーごとコピーすれば、どのタブレットでも起動することができ、授業用のホームページを開き、音源を聴くことができます。タブレット1台ごとコピーしなければならない、という手間はかかりますが、タブレット内にファイルがあるということで、確実に音源を再生することができるのです。
 
 
この学習計画で行ける!と思ったのですが、この計画には大きな欠点がありました。この続きはまた次回に!